1章 三方よしの目標設定
4)サロン運営の三方よし
今まで経営には
『三方よしの考え方が必要だ』
とお伝えしてきました。
その中でも三方よしには
≪組織経営の三方よし≫と
≪サロン運営の三方よし≫という
考え方がありますが、
今回はサロン運営の三方よしについて
考えてみましょう。
まず、組織経営とサロン運営における
三方三者の定義については
次の図のようになります。
売り手がサロンであることに違いないのですが、
その他は微妙に立ち位置が異なるようですね。
それではサロン運営に「おける三方よし」の考え方を
見てまいりましょう。
①売り手にとって“良い”状態
売り手がサロンであることに違いないのですが、
買い手が異なるため、当然“売るもの”が違います。
組織経営において当然、商品・サービスを
お客様に売るのですが、
サロン運営においての買い手は社員になります。
では何を売買するのか?
サロン側にとっての“売り物”は『お給料』ですね。
お客様には商品やサービスを提供することで、
お客様とはお金を交換します。
では社員に対してお給料を支払う際に、
社員とはそのお給料を何と交換するのでしょう?
それが、時間と労力ですね。
売り手であるサロンにとって、
お給料は安いに越したことはないのですが、
社員の幸せや長期的な雇用を考えると、
とにかく安ければ良いというわけでもありません。
材料と同じように安いには安いなりの理由があるはずです。
つまり、
『その給料でしか雇用してもらえない』社員が
残ってしまう可能性もあり得ます。
②買い手にとっての“良い”状態
では社員にとっての良い状態とは?
を考えるのは、お客様と同じですね。
社員にとってはとにかくお給料は高い方が良い。
ただ、闇雲に高額のお給料を払った結果、
会社が潰れてしまっては意味がありません。
これは買い手がお客様である時も同じなのですが、
『そのサロンが本当に残って欲しい』
と思ってもらえるようなサロンであれば、
不当な低価格化や不当な高額のお給料は
要らないということになります。
結局、社員と何で繋がるのか?
という結論に行き着くのですが、
それは後々詳しくお話しさせていただければと思います。
③世間にとっての“良い”状態
組織経営という観点から見た時の
“世間”とは地域社会だったのですが、
サロン運営にとっての世間とはお客様と考えられます。
組織経営では売り手であるサロンと
買い手であるお客様との関係の結果が利益となり、
その利益が結果として納税や次の雇用という面で、
“世間よし”の状態を築き上げました。
同じ様にサロン運営では、
売り手であるサロンと買い手である社員の関係の結果が、
お客様との良好な関係をもたらすと考えられるでしょう。
皆さんのサロンでも今一度、
組織経営とサロン運営という観点からの
三方よしを見つめなおしてみては、
いかがでしょうか?
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『サロン運営の三方よし』美容室経営の目標管理 ~繋がり力経営のすすめ~(第5回) is a post from: 美歴マガジン